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一見さんお断り。とても太い人脈で運営させて頂いております。青森の山を登りましょう。

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22days, 16mountains:18日目(10月28日)「鳥海山」断念

2014/12/10

6:00 起床

朝方、周囲が明るくなり、雨が雪に変わったことを知った。

この日も天候は思わしくない。今日も一日待機を覚悟した。

 

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展望所から時折、日本海の眺望が得られた。

雲を見る限り、今日は晴れそうにない。

 

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7:30

車内でパンをかじっていると、たちまち周囲がガスに包まれた。

 

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そして瞬く間に雪景色に。

アラレやヒョウに近い降雪に、近くの山荘の階下スペースに車を入れて避難した。

マズい。当然、車のタイヤは夏タイヤである。行くにも戻るにも危険である。

とりあえず慌てても仕方が無いので、このまま待機して状況を見守ることに。

まだ本格的な冬は来ない。この雪はいつか解けるはずだ。

食料は10日分、水は8リットル近くある。

 

そんなことを考えながら、車内でダウンジャケットを着ていると、車の窓をコツコツされた。

この山荘の従業員の男性だった。

 

「あれ? ゲートは閉まってるはずですが…どうして?」

当然の質問にこちらの事情を丁寧に説明すると、もの分かりが良い方で理解してくれた。

彼はゲートの鍵を開けて、町の方から出勤してきたらしい。

「こんな天候ですから、こんな軒下でよかったらどうぞお自由にお使い下さい」

寛大な対応をして頂き、しばらくこのまま待機することにした。

 

それにしても寒い。

エンジンを止めているものの、ダウンジャケットを着て寝袋に入っていても寒い。

あと数日早く、ここに来れていれば…

事実、登山届場所を確認した際、一昨日に下山した人の記載があった。

間違いなく、一昨日までだったら登れたのだ。

そんなことを悔いながら車内でうつむいていると、再び車の窓をコツコツされた。

今度は女性の従業員だった。

 

「あの、もしよかったら中で温かいコーヒーでもいかかですか?」

天使に見えた。

 

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そんなわけでお言葉に甘えて、山荘の中に。

温かいコーヒーと甘いチョコレートを頂きながら、先ほどの男性と女性と三人で雑談をした。

見ず知らずの不審者に、人はこうも優しくできるものなのか。

ありがたい。

コーヒーを3杯、おかわりした。

 

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山荘のテレビで天気をチェックさせてもらった。

明日以降からなら天気は回復に向かいそうだったが、この山に関しては楽観視できなかった。

この山荘がある場所で標高1,000m、鳥海山は2,000m以上のヤマ。

ここからさらに1,000m上ではもっと積雪があるはずだ。

シベリア気団の影響をモロに受ける日本海そばの鳥海山は真冬の積雪は10メートルを越えるという。

 

「この雪だと、ブルーラインが早期完全閉鎖も有り得ますね。今日はもう終日閉鎖が決定しました」

男性は状況を説明してくれた。

 

コーヒーをすすりながら考え込む。

ひょっとしたらこの鳥海山の雪はしばらく解けないのではないだろうか。

雪はまだ降っている。

解けるのを待っているうちに、かえって積雪が増してしまうかもしれない。

夏タイヤのFF車。早期完全閉鎖の可能性。

いろいろなことを考えたが、あまりいい未来は想像できなかった。

 

男性が口を開く。

「とりあえず終日閉鎖が決まったのでお客さんも来ないし、我々はすることがありません。

少し事務仕事をしたら我々は下山しますが、どうです? 一緒に下山しませんか? この雪ですし…」

 

この彼の言葉がFacebookの投稿だとしたら、私は全力で「いいね!」ボタンを押す。

 

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11:00

外はガスも相まって白の世界だった。

 

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車の屋根の雪の粒。

そのひとつひとつは微々たる存在なのだが、自然というものはその集合体である。

山を覆い、閉ざしてしまった。

 

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エンジンブレーキ全開でブルーラインを下山する。

私の車に何かあったときのために、山荘の従業員の方々は私の後ろをついてきてくれている。

路面の所々は凍結し、何度かスリップをしたものの大事には至らなかった。

 

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12:00

なんとか下山ができた。

下界はまったく積雪していなかった。

山荘の男性と固い握手を交わし、お別れした。

 

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鳥海山を諦め、東へ車を走らせる。

惜しくも百名山に選ばれなかった山、栗駒山へ向かう。

雨が降ってきた。

 

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15:40

快調に移動しているとイヤな道路情報が。

どうやら東北エリアでは広い範囲で降雪があったようだ。

ただ、何号線が通行止めなのかがよく分からない。

きっと通行できる道路もあるだろう、もう少し行けば分かるだろう、とそのまま直進。

 

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16:10

稲庭うどんで有名な土地を走行していたら、ひなびた食堂を発見。

こういう小汚いところのうどんが食べてみたい。ついでに道路情報を聞いてみよう。

 

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チャーシューメン。

稲庭という土地でまさか、うどんを置いていないとは誤算だった。

安かったが、クオリティとしては「マルちゃん正麺」以下だった。

これまで山の水しか飲んでいないせいもあるが、出された水もマズい。

 

よくよく観察するといかにも怪しい店だ。

小汚い店内にクラシック音楽が響く中、店主の親父はドングリの図鑑を読んでいた。

置かれた新聞には蛍光ペンでラインがたくさん引かれ、いかにもこの記事を読めと言わんばかりだ。

この親父、「タバコ、買いにいってくるよ」と奥さんに威勢良く告げ、

店を出て行ったかと思えば「ちっ、雨かよ」とスグに諦めて戻り、図鑑を読みふける。

そんなに強い雨だったか、と窓から外を見てみると傘も要らぬくらいの小雨。

どうも胡散臭い。

 

会計がてら恐る恐る、道路の通行止め情報を聞き出してみる。

「え? 通行止め? 有り得ない、有り得ない。このまま行けば岩手に抜けれますよ」

 

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17:00

ほら見たことか。山道を散々進んだ先がこれだった。

栗駒山はすぐそこだというのに悔しい。

 

ヤマ登りにおいても、信用できる岩と、信用できない岩(浮き石)がある。

それを瞬時に判断して足を置いて対応していくのが、転ばぬ登山である。

人においても同じことが言える。

山荘の従業員の方々と、あの食堂の親父が良い例である。

 

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地図を見て、もう一本の道にもトライしてみたがやはりダメだった。

稲庭から岩手に抜ける道は全て通行止めだったわけである。

 

結局、来た道を戻り、大きく栗駒山を北回りに迂回して北上市へ向かった。

あの食堂の前を再び通り過ぎるとき、全力で呪いをかけた。

 

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21:00 北上市インターネットカフェ

さっそく、道路情報を集める。東北各地の峠道は通行止めが相次いでいた。

明日以降は慎重に道路を選択しよう。

最悪、このまま帰還することも念頭に置いた。

 

この日は車の運転で疲れた。

長い仮眠をとった。

 

 

oodaira1

車移動距離:243km(道の駅鳥海 〜 十六羅漢岩 〜 国民宿舎大平山荘)

総移動距離:1,901.9km

 

出費:

遊佐町=700円(大平山荘:鳥海山お護り)

由利本庄市=406円(コンビニ:食材)

湯沢市=600円(市兵衛屋:チャーシューメン大盛)

北上市=578円(コンビニ:食材)

合計 2,284円(総計 62,782円)

 

 

 

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YOiCHi
山岳部代表。 経済力以外のすべての力を兼ね備えた変態。 不信任案が出ましたらすんなり次世代に譲ります。

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