山岳部ロゴ.png

一見さんお断り。とても太い人脈で運営させて頂いております。青森の山を登りましょう。

shirakami_catch

白神岳でハンガーノック

2015/09/25

シルバーウィークの真只中、世界遺産:白神山地(白神岳)へ登山しに行ってまいりました。

そしてそこで散々な体験をする羽目に。

今回はその様子をお伝えしたいと思います。

 

プライベートツアーということで、メンバーは私とマモルくんとマチヤくんの3名。

まずは私が自宅でバタバタとPC作業をしていて、十和田市での集合時間に1時間遅刻。

連休とあってか、ちょっと道路も混んでいる。

ちょっと近道かもと進んだ道は間違いで引き返す。

そんなこんなで登山口に着いたのは15時過ぎ。

予定では13時くらいだった。2時間以上のビハインド。

まぁこのメンバーなら2〜3時間で登れるだろうと、登り始めたのが15時30分だった。

 

shirakami_ - 2

快調に進んでいたのだが、若干の空腹感を覚える。

「水場で給水するときに、ついでに行動食を食べよう」

そう思って水筒に2リットル補給したのだが、雑談をして行動食を食べるのを忘れた。

「まぁ山小屋まで我慢して、そこでたっぷりラーメンなりカレーなり食べよう」

そう思って先へ進んだ。

 

shirakami_ - 1

急登に差し掛かった。

腹が幾度も鳴る。

パワー切れをなんとなく実感する。

「これはマジで何か食べないとマズイ感じだ」

「でもこの急坂の途中でザックを下ろすのも面倒だ、登りきったら行動食を食べよう」

そう思って脚に力を込めた。

 

shirakami_ - 4

急登を登り切り、ザックからチョコレートクッキーを取り出して2枚だけ食べた。

マモルくんが黒砂糖のカケラもくれた。

まだクッキーもその他のお菓子もザックに入っていたが、どうにも貧乏性なのでセーブした。

「これくらいのカロリーがあれば、頂上まで行けるでしょ」

再び歩みを開始した。

 

shirakami_ - 13

少し歩いてから変な感じがした。

意識がハッキリしてくるような感覚。

「あれ? これまでオレ、意識がモーローとしてたんだ」

「足腰だけでなく、脳にもエネルギーが足りてない」

 

shirakami_ - 11

「今食べたものがエネルギーに変換されるのはいつだろう」

「きっとまだまだ先だし、あの量じゃちっとも足りない」

 

shirakami_ - 14

私は歩みを早めた。

日没も迫ってきている。

行動時間を短くして山頂まで行こうと思った。

幸い、急登を越え、起伏の少ない森の長尾根に出ていた。

 

shirakami_ - 8

この判断が間違いだった。

というかずっと下の水場から間違いが始まっていた。

わずかな傾斜を登るのもキツくなってきた。

息が上がるようなバテではない。

"脚が前に上がらなくなってくる"

"全身を襲う疲労感"

初めて体験する感覚である。

これがいわゆる「シャリバテ」「ハンガーノック」というやつである。

 

食料の補給が正常にされないと低血糖に陥る。

各臓器に蓄えられているブドウ糖が不足するとエネルギーを蓄えることができなくなる。

ブドウ糖の源は、主に炭水化物や糖質。

私はこれを十分に補給していなかったのである。

 

私はこのとき、驚くほどの虚脱感に支配されていた。

 

shirakami_ - 9

登山でここまでの空腹状態になったことはなかった。

昨年の秋の東北百名山の旅ではどんな状況だろうが、

「腹が3回鳴ったらおにぎり1個分の補給をする」

と決めていた。

連日の登山をいかにスムーズにこなすかということを常に念頭に置き、余念がなかった。

おかげで飯豊山朝日岳の連続する難山行を健やかにこなせた。

 

今回はというと…以前にも登った白神岳と思ってナメていた。

 

shirakami_ - 5

「このままだと二人に迷惑がかかる」

ここでヘッドライトを準備して、マモルくん&マチヤくんを先に行かせた。

暗がりの中、チョコレートクッキーを一気に5、6枚食べて、飴を舐めた。

さぁ行くぞと心で叫んでも、体が思うように進まない。

ストックもろくに突くことができずに、引きずって歩いた。

二人の鈴の音がどんどん遠ざかっていった。

「なるほど、これがシャリバテか」

この日の自分の行動を悔いながら、ひたすらこの大きな虚脱感を噛み締めた。

 

shirakami_ - 6

あたりはすっかり暗くなり、濃いガスが立ち込め始めた。

ヘッドライトで前方を照らすも視界は2〜3メートルといったところ。

まるで亡霊のようにゆっくりと歩いた。

頂上付近の山小屋付近に差し掛かると、2つのライトがこちらに向けられて待っていてくれた。

ほっと一安心。なんとかここまで来れた。

あとは山小屋でゆっくり休もう。

 

…しかし、この山小屋でも困難は待ち受けているのだった。

 

つづく…

 

The following two tabs change content below.
YOiCHi
山岳部代表。 経済力以外のすべての力を兼ね備えた変態。 不信任案が出ましたらすんなり次世代に譲ります。

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>